検査治具には検査の精度を高める、作業者のレベルに関係なく誰が行っても同じ結果になる、このような特徴があります。しかし、検査治具を造るとなるとコストもかかるので量産品の中でもロット数が多いものを中心にするなどのケースは多いといえます。なるべくすべての製品の検査治具を造りたいけれども、コストもかかるし保管しておく場所もない、検査治具は一度作れば良いわけでなく定期的な校正やメンテナンスなども必要になるので、品質を重視する製品のみなどのケースも多いのではないでしょうか。ところで、治具には色々な種類があるわけですが、どのような用途で使うのかこれにより素材も変わります。
素材には様々なものがあるのですが、検査に最適な素材と不向きなものがあるので、最適なものを選ぶことが重要です。ステンレスやアルミ合金などは治具で使用されることが多い素材ですが、ステンレスはクロムやニッケルを配合した鉄の合金で高強度に耐食性、この二つの性能に優れたものです。クロムなどの含有量によりいくつかの種類に分かれますが、最も一般的なものはSUS304です。SUS304は、ステンレスの中でも金属腐食でもあるサビが生じにくいので長期間きれいな状態を維持できるメリットもあります。
もちろん、使い終えた後はきれいに拭き取るなどのメンテナンスは必要です。検査治具は一度制作するとその製品が生産終了になるまでの間使い続けることになるので、耐久性が高い素材を使うことがコツに繋がります。